法人向け 家庭向け

エネルギー使用合理化補助金の公募開始、評価項目には政策的意義も

一般社団法人エネルギー情報センター

新電力ネット運営事務局

エネルギー使用合理化補助金の公募開始、評価項目には政策的意義もの写真

6月6日、環境共創イニシアチブは「平成28年度 エネルギー使用合理化等事業者支援補助金」の公募を開始したと発表しました。期限は、平成28年7月1日(金)17:00必着です。省エネや電気需要平準化で幅広く使える補助金となります。

補助対象経費の3分の1以内を補助、エネマエを利用する2分の1に

「エネルギー使用合理化等事業者支援補助金」(以下、エネルギー使用合理化)は、工場・事業場等における既設設備・システムの置き換え、又は製造プロセスの改善等の改修により、省エネルギー化を行う際に必要となる費用が補助される制度です。そのほか、電力ピーク対策についても費用補助が実施されます。

エネルギー管理支援サービス事業者(以下、エネマネ事業者)を活用し、エネルギーマネジメントシステムを導入することで、高い省エネ効果を期待できるほか、補助率も1/3以内から1/2以内へと有利になります(表1)。

下記にて、「省エネ設備・システム導入支援」、「電気需要平準化対策設備・システム導入支援」、「エネマネ事業」それぞれの概要を見ていきます。

名称 補助率
省エネ設備・システム導入支援 補助対象経費の1/3以内 エネマネ事業者を活用する場合は、補助対象経費の1/2以内
※単体での申請は不可
電気需要平準化対策設備・システム導入支援

表1 事業区分及び補助率 出典:環境共創イニシアチブ資料より作成

省エネ設備・システム導入支援

「省エネ設備・システム導入支援」の区分では、既設設備・システムを置き換えることにより、下記のいずれかの要件を満たす事業が対象となります(図1)。

  1. 工場・事業場等全体の年間エネルギー使用量が1%以上削減されること
  2. 工場・事業場等全体の年間エネルギー使用量が500kl(原油換算)以上削減されること
  3. 補助対象経費1千万円当たりの法定耐用年数を考慮した省エネルギー量が200kl(原油換算)/(補助対象経費)千万円以上であること

省エネ設備・システム導入支援 補助対象事業

図1 省エネ設備・システム導入支援 補助対象事業 出典:環境共創イニシアチブ

電気需要平準化対策設備・システム導入支援

既設設備・システムの置き換え、製造プロセス等の改善、蓄電池・蓄熱システム・自家発電設備の新設により、下記のいずれかの要件を満たす事業が対象となります。

  1. ピーク対策効果量が800千kWh/(補助対象経費)千万円以上であり、増エネとならない事業
  2. 事業を実施する工場・事業場等全体でピーク対策効果(次スライドで解説)率が5%以上、又はピーク対策効果量が1900千kWh以上であり、かつ増エネとならない事業

上記の要件にあるピーク対策効果とは、電気需要平準化時間帯(7/1~9/30、12/1~3/31の8時から22時までの時間帯)の電力使用量削減効果のことです(図2)。

なお、上記の要件を満たしていた場合も、蓄電池・蓄熱システム・自家発電設備の新設と併せて、それ以外の設備の新設が伴う場合は、補助対象外となります。また、導入する設備が省エネ法に定められるトップランナー制度対象機器である場合、その基準値を満たす機器であることが条件となります。

電気需要平準化対策設備・システム導入支援 ピーク対策効果

図2 ピーク対策効果について 出典:環境共創イニシアチブ

エネマネ事業者を活用する場合

SIIが指定したエネルギーマネジメントシステムを、エネマネ事業者が設置する必要があります。また、エネマネ事業者との間で、3年以上のエネルギー管理支援サービス契約が締結されることも要件となります。

省エネ設備・システム導入支援でエネマネ事業者を活用した場合

「省エネ設備・システム導入支援」でエネマネを活用した場合、工場・事業場等において、 『EMSを用いた設備』の制御のみによる省エネルギー率が1%以上、又は省エネルギー量が500kl(原油換算)以上であることが要件となります。また、工場・事業場等において、下記3点による全体での省エネルギー率が10%以上、又は省エネルギー量が1200kl(原油換算)以上であることが必要です。

  1. ①既設設備・システムの置き換え
  2. ②製造プロセスの改善等の改修、又は一部設備・システムの新設等
  3. ③EMSを用いた設備の制御

電気需要平準化対策設備・システム導入支援でエネマネ事業者を活用した場合

電気需要平準化対策設備・システム導入支援でエネマネ事業者を活用した場合、工場・事業場等において、 『EMSを用いた設備』の制御のみによるピーク対策効果率が5%以上、又はピーク対策効果量が1900千kWh以上であることが要件となります。また、工場・事業場等において、下記3点による全体でのピーク対策効果率が50%以上、又はピーク対策効果量が4500千kWh以上であることが必要です。

  1. ①既設設備・システムの置き換え
  2. ②製造プロセスの改善等の改修、又は一部設備・システムの新設等
  3. ③EMSを用いた設備の制御

評価項目は、省エネルギー効果だけではなく、技術の先端性や政策的意義も

本補助金に採択されるために重要な評価項目は、大別すると下記の4項目となります。

①省エネルギー効果、及びピーク対策効果

申請単位に対する補助事業による省エネルギー量(省エネルギー率)、ピーク対策効果量(ピーク対策効果率)。

②費用対効果

補助対象経費1千万円当たりの耐用年数を考慮した原油削減量又は電気需要平準化時間帯の電力使用削減量。

③技術の先端性
④政策的意義

・中小企業の省エネルギー事業。
・申請者が省エネルギーの数値目標を明確にした計画(環境自主行動計画等)を公表しており、当該行動計画の実効性を高めるための省エネルギー事業。
・中小企業が実施する、中長期計画の実効性を高めるための省エネルギー事業。
・ISO50001に基づく行動計画の実効性を高めるための省エネルギー事業。
・売上高に対するエネルギーコストの割合が10%以上のエネルギー集約型企業の省エネルギー事業。
・定期報告書の記載から、ベンチマーク改善に資することが認められる事業。
・コミッショニングを実施する事業。

上限金額は20億円/年度

この続きを読むには会員登録(無料)が必要です。

無料会員になると閲覧することができる情報はこちらです
電力の補助金

補助金情報

再エネや省エネ、蓄電池に関する補助金情報を一覧できます

統計情報

統計情報(Excel含)

エネルギー関連の統計情報をExcel等にてダウンロードできます

電力入札

入札情報

官公庁などが調達・売却する電力の入札情報を一覧できます

電力コラム

電力コラム

電力に関するコラムをすべて閲覧することができます

電力プレスリリース

プレスリリース掲載

電力・エネルギーに関するプレスリリースを掲載できます

電力資格

資格取得の支援

電験3種などの資格取得に関する経済支援制度を設けています

はてなブックマーク

執筆者情報

一般社団法人エネルギー情報センターの写真

一般社団法人エネルギー情報センター

新電力ネット運営事務局

EICは、①エネルギーに関する正しい情報を客観的にわかりやすく広くつたえること②ICTとエネルギーを融合させた新たなビジネスを創造すること、に関わる活動を通じて、安定したエネルギーの供給の一助になることを目的として設立された新電力ネットの運営団体。

企業・団体名 一般社団法人エネルギー情報センター
所在地 〒160-0022
東京都新宿区新宿2丁目9−22 多摩川新宿ビル3F
電話番号 03-6411-0859
会社HP http://eic-jp.org/
サービス・メディア等 https://www.facebook.com/eicjp
https://twitter.com/EICNET

関連する記事はこちら

一般社団法人エネルギー情報センター

2025年06月29日

新電力ネット運営事務局

【第3回】再選トランプ政権の関税政策とエネルギー分野への波紋 〜素材・鉱物資源の安定確保とサプライチェーン強靭化を巡る論点〜

2025年4月、再選トランプ政権が発動した「相互関税(Reciprocal Tariff)」政策は、日本のエネルギー分野にも引き続き多方面の影響を及ぼしています。 第1回では制度発足の背景と太陽光・LNG・蓄電池への直接的影響を整理し、第2回では企業・自治体の現場対応と政府の制度支援の動向を追いました。本稿は最終回として、これまでの影響がさらに素材・鉱物資源というサプライチェーンの川上分野にどのように波及し、どのような実務課題を生んでいるのか整理します。エネルギー安全保障・経済安全保障双方の観点から、素材確保戦略がいよいよ重要局面に入りつつあります。

一般社団法人エネルギー情報センター

2025年06月26日

新電力ネット運営事務局

【第2回】再選トランプ政権の関税政策とエネルギー分野への波紋 〜日本企業・自治体の現場対応から読み解く実務課題と展望〜

2025年4月に本格発動されたトランプ政権の「相互関税」政策は、日本のエネルギー分野にも広範な影響をあたえています。前回の第1回では、制度の背景や構造的リスク、太陽光・LNG・蓄電池といった主要分野への影響の全体像を整理しました。 本稿ではその続編として、実際に通商環境の変化を受けた企業・自治体の現場対応に焦点をあて、最新の実務動向と政策支援の現状を整理します。

一般社団法人エネルギー情報センター

2025年05月31日

新電力ネット運営事務局

【第1回】再選トランプ政権の関税政策とエネルギー分野への波紋

2025年4月、トランプ米大統領は「相互関税(Reciprocal Tariff)※1」政策を発動し、すべての輸入品に一律10%の関税を、さらに中国・日本などの貿易黒字国には最大35%の追加関税を課しました。 これは2018年の鉄鋼・アルミ関税措置を再構築するかたちで、保護主義的な政策姿勢を鮮明にしたものです。エネルギー関連機器もその対象に含まれており、日本側への影響も無視できない状況です。 とくに日本が重点を置いてきた再生可能エネルギー分野では、調達コストや供給網への影響が現れ始めています。 本稿では、こうした通商政策がもたらす構造的な変化とリスクについて、再エネを軸に読み解いていきます。 ※相互関税:米国製品に課されている関税と同水準の関税を相手国製品にも課すことで、貿易上の“公平性”や“対等性”を確保しようとする政策。

一般社団法人エネルギー情報センター

2025年03月17日

新電力ネット運営事務局

2025年開始の東京都による第四期間の排出権取引、非化石証書の利用可否や電力会社の排出係数反映など各種内容が変更

東京都では日本政府に先駆けて2010年から排出権取引を開始しており、2025年からは節目の第四期間となり、これまでの運用経験等から様々な変更が行われています。電力関連では、非化石証書の利用が可能となるほか、電力会社の排出係数が勘案される内容となっており、本記事では変更の大枠を見ていきます。

一般社団法人エネルギー情報センター

2025年02月19日

新電力ネット運営事務局

2026年度から「成長志向型」カーボンプライシング開始の方針、排出権の市場取引を通じた脱炭素経営の抜本変化

日本においては2000年代から本格的に「カーボンプライシング」についての検討が進められてきましたが、2026年度からGXを基調とした新たな排出権取引が始まる方針です。これにより、脱炭素経営やビジネスが抜本的に変化する見込みとなり、本記事では現状の検討状況を整理しております。