太陽光発電の満足度調査、国産メーカーが満足度上位にランクイン
| 政策/動向 | 再エネ | IT | モビリティ | 技術/サービス | 金融 |
一般社団法人エネルギー情報センター

住宅リフォーム関連サービスを展開するローカルワークスは、1月19日に太陽光発電メーカーの満足度調査結果を発表しました。アンケートを利用した調査を実施しており、太陽光発電を実際に導入した950人を対象としています。
メーカー別の満足度、東芝製品が一位を獲得
日本における太陽光発電の導入量は、2012年に始まった固定価格買い取り制度(FIT)の後押しもあり近年飛躍的に伸びています。FITの始まる前である2011年には総発電量に占める太陽光の割合は0.6%程度でしたが、2015年には3.3%程度と、たったの4年間で5倍以上に伸びています。
このようにFITによる太陽光発電ブームが到来したのですが、実際に太陽光発電を導入した方々は満足しているのか、といったことを調べたのが今回のアンケート調査です。ローカルワークスが今回実施したアンケートは、5年以内に太陽光発電を導入した、戸建て住宅に住む25歳以上の950名を対象としたものです。性別は、男性が63%、女性が37%という内訳となります。住まいのエリアは、関東地方が34%、近畿地方が17%、東海エリアが13%、北海道・東北エリアが12%、九州・沖縄エリアが10%、中国・四国地方が9%、北陸・北信越エリアが5%です。
アンケートの集計結果を見ると、「大変満足」、もしくは「満足」と回答した割合が最も高かったメーカーは東芝でした。大変満足が6%、満足が63%となりますので、合計で7割近くが満足以上の感想を持っている結果となりました。次点で京セラが2位となり(54%)、パナソニック(53%)、シャープ(51%)、三菱電機(49%)と続きます(図1)。 東芝、パナソニックなど国産メーカーが満足度上位にランクインする結果となりました。

図1 満足度調査の結果 出典:ローカルワークス
見積もり依頼した会社数、1社のみが約半数の46%
太陽光発電を導入するにあたっては、業者に見積もり依頼をする必要があります。その見積もりをする企業数ですが、1社のみとの回答が46%になっています。一方で、2社以上から相見積りを取る割合は54%でした。概ね半々ですが、相見積を取るケースの方が若干回答数が上回る結果となりました。
太陽光発電の購入先は、リフォーム専門店が最も多く25%となりました。次点で家電量販店(19%)、ホームセンター(9%)、ネット専門店(7%)と続きます(図2)。太陽光パネルを取り扱うウェブサイトも増えてきていますが、リフォーム専門店・家電量販店・ホームセンターを合わせると、半数以上が実際の店舗などに足を運んで購入する結果となりました。

図2 太陽光発電の購入先、見積件数 出典:ローカルワークス
約半数が10年間で初期費用を回収可能という結果に
太陽光発電は数百万円するケースも珍しくありません。一般的には高価な買い物であり、初期費用の投資回収期間は非常に重要な要素です。今回のアンケート調査では、実際に太陽光発電を導入した後で、10年で初期費用を回収できると答えた割合は44%でした。一方で15年以上と長期にわたるケースは19%となり、逆に9年以下と短期のケースは13%でした。日射量や屋根の角度・形状など、どれだけ太陽光にとって適地であるかといった要素が、大きく影響を与えていると考えられます。
では、導入前のシミュレーションではどのような結果になっているのでしょうか。太陽光発電の導入を検討する際はシミュレーションを実施しますが、10年で初期費用を回収できると考えていた割合は74%です。ただ、前述の通り実際に設置した後の測定では、10年で回収できる割合は44%でした。9年以下の場合は、シミュレーションの見込みでは11%、実際の測定では13%となっています(図3)。つまり、シミュレーションよりも投資回収期間が短くなる運のよいケースも稀にありますが、期間が多少なりとも長くなるケースの方が多い結果となりました。

図3 費用回収期間の見込みと実情 出典:ローカルワークス
太陽光発電を導入して満足している意見を個別に見てみると、例えば「発電量と使用電気料が分かるので節電の意識が高まる」、「売電収入がある上に電気料金が下がったこと。環境に貢献しているという満足感もある。」、「当初計画した通りの収入を手間をかけずに得ることができていること。」、「太陽光発電に加えてオール電化も導入し、深夜電力のおかげで光熱費が非常に浮いている。」などという意見がありました。単純な売電収入だけではなく、節電意識が高まったことや、オール電化導入による経済メリットなどが満足度を押し上げているといえます。
一方で不満な点は、「天気が悪いと発電効率が落ちてしまうところ。」、「見積通りに設置費用を回収できるか、非常に不安。」、「光の反射で近所の人に迷惑をかけていないか不安になるところ。」、「今後はメンテナンスや交換が必要になってくると思うと心配。」、「屋根においてあるソーラーパネルの見栄えが良くない。」などという意見がありました。理由は多岐にわたりますが、天候による不安定さ、今後の収益性やメンテナンスの必要性、近隣住民への影響などをデメリットとして挙げる声があるようです。
この続きを読むには会員登録(無料)が必要です。
無料会員になると閲覧することができる情報はこちらです
執筆者情報
一般社団法人エネルギー情報センター
EICは、①エネルギーに関する正しい情報を客観的にわかりやすく広くつたえること②ICTとエネルギーを融合させた新たなビジネスを創造すること、に関わる活動を通じて、安定したエネルギーの供給の一助になることを目的として設立された新電力ネットの運営団体。
| 企業・団体名 | 一般社団法人エネルギー情報センター |
|---|---|
| 所在地 |
〒160-0022 東京都新宿区新宿2丁目9−22 多摩川新宿ビル3F |
| 電話番号 | 03-6411-0859 |
| 会社HP | http://eic-jp.org/ |
| サービス・メディア等 |
https://www.facebook.com/eicjp
https://twitter.com/EICNET |
関連する記事はこちら
一般社団法人エネルギー情報センター
2026年03月23日
政府も注目する次世代エネルギー、核融合の仕組みと可能性 【第1回】核融合“超入門” 地上に「小さな太陽」をつくる挑戦
地上に“小さな太陽”をつくる、そんな壮大な計画が世界各地で進んでいます。 核融合とは、太陽の内部で起きているように、軽い原子が結びついてエネルギーを生み出す反応のことです。燃料は海水から取り出せる水素の一種で、CO₂をほとんど出さず、石油や天然ガスよりもはるかに効率的にエネルギーを取り出すことができます。 かつては「夢の発電」と呼ばれてきましたが、近年は技術の進歩により、研究段階から実用化を見据える段階へと進化しています。 2025年6月当時は、高市早苗経済安全保障担当大臣のもと、政府が核融合推進を本格的に強化しました。 同月に改定された「フュージョンエネルギー・イノベーション戦略」では、研究開発から産業化までを一貫して支援する体制が打ち出されています。 今回はその第1回として、核融合の基本的な仕組みや核分裂との違い、主要な研究方式をわかりやすく解説します。
一般社団法人エネルギー情報センター
2025年10月31日
第一回ではペロブスカイト太陽電池の特性と政策背景を、第二回では実装課題・量産・標準化の現状をお伝えしました。 最終回となる本稿では、社会実装の具体像を描きます。建築外皮、街路インフラ、モビリティといった“都市空間そのもの”に発電機能を組み込むシナリオを軸に、系統・蓄電(BESS)との統合運用や、エネルギー安全保障・脱炭素への貢献を数値的な側面から読み解きます。 さらに、制度設計・金融支援・標準化の動向を踏まえ、日本が形成しつつある「都市型エネルギーエコシステム」の全体像を明らかにします。
一般社団法人エネルギー情報センター
2025年10月29日
前編では、ペロブスカイト太陽電池の特性と政策的背景、そして中国・欧州を中心とした世界動向を整理しました。 中編となる今回は、社会実装の要となる耐久性・封止・量産プロセスを中心に、産業戦略の現在地を掘り下げます。ペロブスカイト太陽電池が“都市インフラとしての電源”へ進化するために、どのような技術と制度基盤が求められているのかを整理します。特に日本が得意とする材料科学と製造装置技術の融合が、世界的な量産競争の中でどのように差別化を生み出しているのかを探ります。
一般社団法人エネルギー情報センター
2025年10月27日
中小企業が入れるRE100/CDP/SBTの互換ともいえるエコアクション21、GHGプロトコルに準じた「アドバンスト」を策定
GHGプロトコルに準じた「エコアクション21アドバンスト」が2026年度から開始される見込みです。アドバンストを利用する企業は電力会社の排出係数も加味して環境経営を推進しやすくなるほか、各電力会社側にとっても、環境配慮の経営やプランのマーケティングの幅が広がることが期待されます。
一般社団法人エネルギー情報センター
2025年10月18日
日本発!次世代ペロブスカイト太陽電池:フレキシブル発電が都市を変える 【第1回】背景と技術概要 — 何が新しいか/政策・投資の全体像/海外動向との比較
本記事は、2024年公開の「ペロブスカイト太陽電池の特徴とメリット」「ペロブスカイト太陽電池の課題解決と今後の展望」に続く新シリーズです。 耐久性や鉛処理、効率安定化といった技術課題を克服し、いよいよ実装段階に入ったペロブスカイト太陽電池。その社会的インパクトと都市エネルギーへの応用を、全3回にわたって取り上げます。


















